男「自殺するっていうならその前に僕に抱かれませんか?」1 |
30380view 更新日2014-04-30 20:54:00 |
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1: 名無しさん:2014/04/11(金)22:09:12 ID:Nl9A5Yopp
男「靴脱いでるし、これから飛び降りるんですよね?」
女「おっしゃるとおり、飛び降りようとしてましたけど。
なんですかあなた?」
男「よかったあ!」
女「はい?」
男「だって自殺するんですよね、ここから飛び降りるってことは」
女「そうですが」
男「自殺するっていうなら、その前に僕に抱かれませんか?」
女「はい?」
5: 名無しさん:2014/04/11(金)22:13:25 ID:Nl9A5Yopp
男「なかなか出会えないんですよね、これからタヒぬって人に」
女「……」
男「しかも僕は運がいい。こんな美人とめぐり会えるなんて」
女「あの、飛び降りていいですか?」
男「僕の話、聞いてたでしょう?」
女「ええ。エッチがどうとか言ってましたね」
男「フッ、そうです。僕の目的はただその一点のみです」
男「安心してください」
男「あなたの自殺を止める気なんて、僕にはこれっぽっちもありませんよ」
女「帰ってもらっていいですか?」
7: 名無しさん:2014/04/11(金)22:15:39 ID:Krjxhtekc
…さて、この物語にはまだ続きがあります。
主人公は誰ですかって?
それはこのSSを読み切ったあなた方1人1人です
今の世の中、たくさん辛いこともある。たくさん嫌なこともある。もう誰も信じられない、信じたくない。そう思っている人がたくさんいるでしょう。
私もかつてその1人でした。でもこのSSの「男」のように(というかモデルは作者自身だったり…)懸命に生きて、今では細々とですが暮らしています。
開けない夜は、ありません。
これが、このSSで伝えたかったことの全てです。
最後の最後に、登場人物たちからのメッセージをお聞き下さい。
男「おう!まあなにやら辛いこともあるが、生きてみようぜ!開けない夜は、ないってな!」
作者「ちょっ、俺のパクったな!」
女「やれやれね、この二人は…クスッ」
友「見てくれて、ありがとな!お前らも頑張れよ!…イテッ!」
作者「(友の頭をはたきながら)読者様にお前らとか言うな!失礼だろが!」
まあなにはともあれ…
全員「読んでくれてありがとう!」
ありがとうございました!(続編をもしかしたら投下するかも…ゴホンゴホン)
9: 名無しさん:2014/04/11(金)22:17:09 ID:Nl9A5Yopp
男「僕に帰る場所はありません。あるとしたら、あなたの胸の中だけだ」
女「もう飛び降りていいですか?」
男「どうして!?」
女「ご自分の胸に聞いてください」
男「いいでしょう。あなたを止める資格は、僕にはない」
男「ただ、ひとつだけ聞かせてもらってもいいですか?」
女「ひとつだけですよ」
男「三日前って白のパンティー履いてました?」
女「……はい?」
10: 名無しさん:2014/04/11(金)22:18:30 ID:zwHDALP7a
タヒんでからでも穴はあるんだよな・・・
11: 名無しさん:2014/04/11(金)22:20:58 ID:Nl9A5Yopp
男「『なぜ見ず知らずの男が、わたしの履いているパンティーの色を知っている?』」
男「そんな顔をしてますね」
女「あなた、なんなんですか」
男「フッ、どこにでもいる素人童貞ですよ」
女「それは聞いてません」
男「なぜ僕があなたのパンティーについて知っているのか」
男「簡単ですよ。あなたはここ一週間、このマンションの屋上から飛び降りようとしていた」
男「そうですね?」
女「一週間も前から、わたしのことを見ていたんですか」
男「正確にはあなたではなく、あなたのスカートの中を、ですがね」
12: 名無しさん:2014/04/11(金)22:23:27 ID:Nl9A5Yopp
男「あなたは飛び降り自殺を実行しようとしていた」
男「しかし、いつもギリギリでやめてしまいますね」
女「……」
男「いやあ、一週間前にこのマンションを見上げたときは驚きましたよ」
男「『あっ、パンツだ!』って」
女「パンツだったんですか、真っ先にあなたの目に飛びこんできたのは」
男「そりゃそうでしょう」
13: 名無しさん:2014/04/11(金)22:24:43 ID:cf21FBVB1
>>10天才か
14: 名無しさん:2014/04/11(金)22:26:57 ID:Nl9A5Yopp
男「なかなかないんですからね。パンチラに出会う機会って」
女「あなた、これからタヒぬ人間によくそんなことを言えますね」
男「逆ですよ。口なしになる人にだからこそ、思ったことをぶっちゃけてるんですよ」
女「で、抱かせてくれ、ですか?」
男「フッ、なんなら僕が抱かれてもいいですよ」
女「けっこうです」
男「うーむ。どうも、あなたは難しい人間のようですね」
女「わたしはいたって普通です。おかしいのはあなたでしょう。
タヒ後の世界にだって、初対面で抱かせてくれる人なんていませんよ」
15: 名無しさん:2014/04/11(金)22:30:55 ID:2cqaCH0PY
>>7のコピペよく見るけどよく知らないからスレタイ知りたい
16: 名無しさん:2014/04/11(金)22:31:54 ID:Nl9A5Yopp
男「たしかに。いきなりすぎましたね」
女「わかってもらえたならいいです。それじゃあさよなら」
男「なんでまた飛び降りようとしてるんですか」
女「タヒぬからです」
男「待ってくださいよ。まだ抱いてないんですから」
女「あなたに抱かれるつもりはありません」
男「今は、でしょう?」
女「一生です」
男「だから一生を終わらせようとしないで。僕の話、まだ終わってません」
18: 名無しさん:2014/04/11(金)22:34:26 ID:Nl9A5Yopp
男「実はどうしても聞きたいことがあったんですよ」
女「なんですか?」
男「なぜ今日はスカートじゃないんですか?」
女「なにが言いたいんですか?」
男「フッ、この建物の下から空を見あげるとね、見えるんですよ」
男「太陽よりもまぶしいもの。あなたのパンツがね」
女「あなた、どんだけパンツ好きなんですか」
男「最近の僕にとっての一番の楽しみだったんですよ。それなのに、どうして……!?」
女「べつに。今日はスカートの気分じゃなかっただけです」
19: 名無しさん:2014/04/11(金)22:37:26 ID:dtn5slCuy
淡々と会話していくこの感じ大好物
22: 名無しさん:2014/04/11(金)22:40:34 ID:Nl9A5Yopp
男「たまたまスカートじゃなかった、そういうことですか?」
女「そう言ってるでしょう」
男「じゃあ今からスカートに着替えてきてもらっていいですか?」
女「そんな暇があるなら、さっさとタヒにます」
男「なぜそんなにタヒに急ぐんですか?」
女「タヒにたいからです」
男「べつによくないですか? どうせもうあなたはタヒぬんだから」
女「どういうことですか?」
23: 名無しさん:2014/04/11(金)22:44:19 ID:QcEz92YDY
ほうおもしろい
24: 名無しさん:2014/04/11(金)22:45:29 ID:Nl9A5Yopp
男「タヒぬって決めたら、こころにゆとりができません?」
女「ゆとり、ですか」
男「だってこれからなにが起きても、あなたはここから飛ぶんですよ」
男「いつでも人生をクリアできるんだから、なにが起きても安心でしょう?」
女「ゼロになるというか、終わらせられるというか……結果は決まってます」
男「つまり、たいていのことは許せますよね?」
女「たしかに。たどる結末は見えてますからね」
男「じゃあ僕に抱かれましょう」
女「結局それですか」
26: 名無しさん:2014/04/11(金)22:51:58 ID:Nl9A5Yopp
男「僕に抱かれるのが、イヤなんですか?」
女「イイと思うんですか、わたしが?」
男「質問に質問は感心しませんね」
女「あなたの言動よりはマシでしょう。でも、そうですね……」
男「おやおや。ようやく僕を受け入れてくれますか」
女「ええ。最期ぐらいは、役に立つことをしてもいいかもしれません」
男「話の理解が早い人で助かります」
女「ええ。警察に通報します」
男「フッ……」
28: 名無しさん:2014/04/11(金)22:55:45 ID:Nl9A5Yopp
女「言っておきますけど、おどしとかじゃないですから」
男「ほほう」
女「こんな世の中です。
女であるわたしがあなたを通報すれば、どうなるかはわかりますよね?」
男「フッ、あまいですねえ」
女「あまい?」
男「あなたは自殺を図っていた。身元整理はしてるんじゃないですか?」
女「それは……」
男「ケータイを解約したりとか、遺言書を残してたりすれば」
男「自殺の証拠としては十分ですよね」
29: 名無しさん:2014/04/11(金)22:56:49 ID:HOhjxnjVU
ふむふむ
31: 名無しさん:2014/04/11(金)23:00:52 ID:Nl9A5Yopp
男「ていうか、ケータイ解約してたら警察に通報すらできませんけどね」
女「うっ……」
男「つまりあなたは、僕に抱かれてタヒぬか」
男「僕を通報して、ダラダラとこの世界で生きていくって選択肢しかないんですよ」
女「どっちも地獄ですね」
男「さあどうしますか?」
女「……」
男「おとなしくしていれば、優しくしますよ」
女「きゃあああああっ! 誰か助けてえええ!!」
男「ええっ!?」
32: 名無しさん:2014/04/11(金)23:03:26 ID:29Q9BEcYo
だろうな
33: 名無しさん:2014/04/11(金)23:06:27 ID:Nl9A5Yopp
男「これからタヒぬくせに、なに助けを呼んでるんですか!?」
女「あなたを出すとこに出して、それからタヒぬことにしました」
管理人「なにかあったんですか!?」
男「!!」
女「実はここに極めて特殊な変態が……」
管理人「なぜ裸足なんですか?」
女「え? あ、いやその……ちょっと開放的な気分になりたくて……」
管理人「開放的な気分ねえ」
女「ほ、本当です。あの、coccoとかそういう歌手の人のマネです」
管理人「悪いけど、屋上から出てもらってもいい?」
女「……」
34: 名無しさん:2014/04/11(金)23:07:20 ID:29Q9BEcYo
よし
35: 名無しさん:2014/04/11(金)23:07:38 ID:HOhjxnjVU
みてるぜ
36: 名無しさん:2014/04/11(金)23:09:17 ID:Nl9A5Yopp
管理人「こんな世の中だと、ついつい暗い考えが浮かんでしまうんですよ」
女「……わかりました」
管理人「おねがいしますね」
女「はい」
男「いやあ、ビックリしたあ」
女「ひゃっ!? きゅ、急に声出さないでくださいよ」
男「おっ。はじめて驚いた顔をしてくれましたね」
女「……悪いですか?」
男「いえ、ぜんぜん」
37: 名無しさん:2014/04/11(金)23:14:49 ID:Nl9A5Yopp
男「それにしても。あなたが叫んだ瞬間に、おばさんが来たんで焦りましたよ」
女「管理人さんです」
男「思わず隠れてしまいましたよ」
女「隠れたんですか?」
男「おや? 気づきませんでした?」
女「管理人さんのほうに気をとられてましたからね」
男「靴のことを指摘されて焦ってましたね」
女「……うるさいです。それより、どうやって隠れたんですか?」
男「ん?」
女「ここ、とっさに身を隠せる場所なんてありませんよ」
38: 名無しさん:2014/04/11(金)23:16:16 ID:29Q9BEcYo
スカートの仲に決まってんだろ
39: 名無しさん:2014/04/11(金)23:17:20 ID:ByGMIQBBi
>>38女スカートはいてねえよwww
40: 名無しさん:2014/04/11(金)23:18:01 ID:QcEz92YDY
>>39
自分の……?
41: 名無しさん:2014/04/11(金)23:18:28 ID:xpj9JLMx0
>>38
これだと思ったのに…
42: 名無しさん:2014/04/11(金)23:19:51 ID:Nl9A5Yopp
男「あなたなら、塀の上から見慣れてると思うんですけど」
女「わたしなら……あっ、そっか」
男「気づきましたか?」
女「屋上の塀のでっぱりに、とっさに隠れたんですね」
男「正解です。小さな塀とは言え、よくとっさに隠れられたと思います」
女「……」
男「って、どこへ行くんですか?」
女「屋上から出ます」
43: 名無しさん:2014/04/11(金)23:24:23 ID:Nl9A5Yopp
男「あれれ? なんで?」
女「管理人さんに言われたからです」
男「屋上から出て、どうするんですか?」
女「いったん部屋に戻ります」
男「え? タヒなないんですか?」
女「…………」
男「なるほど。そういうことですか」
女「なんでそんなにニヤニヤしてるんですか?」
男「これからあなたの部屋に行って、僕とあなたで……」
女「ちがいますっ!」
44: 名無しさん:2014/04/11(金)23:28:28 ID:Nl9A5Yopp
男「ちがうんですか?」
女「そもそもどうしてあなたを部屋にあげるんですか」
男「……野外プレイがお好みということですね」
女「自殺する前に、あなたを殺したほうがいいかもしれませんね」
男「犯罪者になると?」
女「どうせ結末は同じですから」
男「だったら僕に抱かれてしまえばいいじゃないですか」
女「もうその話は飽きました」
45: 名無しさん:2014/04/11(金)23:29:10 ID:2nIOhVpz5
オープンのssで一番面白いかも
46: 名無しさん:2014/04/11(金)23:32:25 ID:QcEz92YDY
キャラのこの口調前もどっかで見たような気がするな
47: 名無しさん:2014/04/11(金)23:33:26 ID:VKLeW64gw
>>46
まぁよくある口調ではありますからね
49: 名無しさん:2014/04/11(金)23:35:23 ID:Nl9A5Yopp
男「エレベーターに乗りましたけど、あなたの部屋ってなん階なんですか?」
女「教えません」
男「どうせこれから知りますよ」
女「今ここはなん階でしょうか?」
男「一階ですね。一階なんですか、あなたの部屋は」
女「いいえ。これから外に出ます」
管理人「おや。どこかへおでかけですか?」
女「ええ、ちょっと早めの夜ご飯を食べに」
管理人「そうですか。物騒な世の中ですから、夜道には気をつけてください」
女「ええ。実感しているまっただ中なんで、気をつけます」
50: 名無しさん:2014/04/11(金)23:39:19 ID:Nl9A5Yopp
男「ちょっとちょっと、マンションの外に出てるじゃないですか」
女「やっぱり部屋にはもどりません」
男「どうして!?」
女「この状況で聞けるって、あなたすごいですね」
男「たしかに僕は素人童貞ですけど、女性ひとりを満足させるぐらいのテクニックなら……!」
女「タヒね」
男「僕たち会ってから、まだそんなに仲良くないですよ!?」
女「抱かせてくれって言うよりはマシです。ていうか、自殺してください」
男「ついには自殺勧告をするとは」
51: 名無しさん:2014/04/11(金)23:46:34 ID:Nl9A5Yopp
男「しかもなぜかマクドナルドに来てますし」
女「今日の夕飯はここにします」
男「え?」
女「ついてきてもかまいません。でも、ここで食べることは決定ですから」
男「ハウスで食べるって選択肢は?」
女「ありません」
男「わかりましたよ。僕は食べませんけどね」
女「……拗ねてるんですか?」
男「そりゃあねえ。なんでこんなチェーン店なんかで……」
女「ふーん。じゃあ入りますね」
53: 名無しさん:2014/04/11(金)23:49:45 ID:VKLeW64gw
自殺する人はタヒぬ前にお金とかコレクションとか分けて欲しいと思った事はあるよな
54: 名無しさん:2014/04/11(金)23:51:07 ID:QcEz92YDY
>>53
お前最低だな
せめて男のように抱かせてもらうくらいにしとけよ
55: 名無しさん:2014/04/11(金)23:51:25 ID:Nl9A5Yopp
女「てきとうに決めましたけど。あなたは食べないんですか?」
男「お腹すいてないんですよ」
女「だったら席をとっておいてくれればいいのに。
あなたが童貞な理由が垣間見えますね」
男「……なんかだんだん馴れ馴れしい、っていうかふてぶてしくなってません?」
女「あなたにだけは言われたくないですね、トウシロさん」
男「……」
女「……」
男「……」
女「なんで急に黙るんですか」
男「いいから早く食べましょう」
56: 名無しさん:2014/04/11(金)23:53:20 ID:HOhjxnjVU
ほうほう
57: 名無しさん:2014/04/11(金)23:53:58 ID:VKLeW64gw
>>54
俺の天秤がすげー困ってる
58: 名無しさん:2014/04/11(金)23:56:43 ID:Nl9A5Yopp
女「そんなにわたしの部屋に入りたいんですか」
男「いいえ。部屋じゃなくてもいいですよ」
女「わたしはどこでもイヤです」
男「ていうか、いいから早く食べてください」
女「なぜそんなに急かすんです? 最後の晩餐なんですよ」
男「最後の晩餐がマックって、絶対にタヒんでから後悔しますよ」
女「フレッシュネスバーガーのほうがよかったかもしれませんね。
ていうか、わたしってマック好きじゃないんですよね」
男「……じゃあなぜここに足を運んだんですか?」
女「確かめるためです」
男「どういうことですか?」
59: 名無しさん:2014/04/12(土)00:02:50 ID:qd05V7wed
女「空腹は最高のスパイスって言葉は知ってますよね」
女「あの言葉って人間のバグを端的に表してると思うんですよ」
女「お腹がすいてるって理由で、食べ物がおいしくなる」
男「ああ、なんとなく言いたいことがわかりました」
女「これが最期の食事だと思ったら、なにか変わるかなって思ったんです」
女「変われば、わたしはこれからタヒぬってことをより実感できますからね」
男「ハンバーガーの味はどうなんですか?」
女「よくわかりません。普段よりおいしい気もしますし、変わらない気もします」
女「ひょっとしたら、わたしは味の変化を認めたくないのかもしれません」
60: 名無しさん:2014/04/12(土)00:06:04 ID:B0tycZRYv
なるほどね
61: 名無しさん:2014/04/12(土)00:08:54 ID:qd05V7wed
女「自分でも、どうしてそんなことを思うのかはわかりませんけど」
男「僕にはなんとなく、あなたの気持ちがわかりますよ」
女「気持ちわるいこと、言わないでください」
男「まあまあ。そう言わずに。僕の話を聞いてくださいよ」
女「……勝手にどうぞ」
男「気持ちひとつで、なにもかも変わるってことを認めたくない。
そういうことじゃないですか?」
女「……」
男「これから自殺するって人間としては、そういうのって知りたくないですよね」
62: 名無しさん:2014/04/12(土)00:14:50 ID:qd05V7wed
男「気持ちひとつで昨日まで輝くかもとか思うと」
男「タヒのうとしていた意志までゆらいじゃいますもんね」
女「わたしがタヒぬのは決定事項です。今さら変わりません」
男「いいえ。だったら喜んであなたは、最後の晩餐を楽しめると思いますよ」
男「たかが百円のハンバーガーで、自分の意志が消える」
男「それがコワイんじゃないですか?」
女「これはビッグマックなんで、百円じゃありません」
男「ここぞってところでボケないでください」
女「むぅ」
男「ついでに、僕に抱かれてもいいと思っている自分がいる。そうですね?」
女「いえ、それだけはタヒんでも変えるつもりはありません」
68: 名無しさん:2014/04/12(土)00:22:16 ID:qd05V7wed
女「人間のバグっていうのは、なかなか人間に都合よくできてるみたいですね」
女「でも、世の中には変わらないこともあります」
女「わたしの気持ちは動きません」
男「あなた、さてはすごいガンコですね」
女「そうです。石のようにかたい意志をもってるんです」
男「あと、ギャグセンスないですよね」
女「……べつに、あなたを笑わせたいわけじゃないんで」
69: 名無しさん:2014/04/12(土)00:26:48 ID:qd05V7wed
女「ていうか、さっきから変な会話をさせないでください」
男「変な会話?」
女「ええ。さっきから妙に視線を感じるんです」
男「これからタヒぬのに、赤の他人の視線が気になるんですか?」
女「う、うるさいです。とりあえずさっさとここを出ます」
男「最期の食事なのに、そんな食べ方しなくても」
女「……」
男「急にがっついたと思ったら、今度は食べるのをやめて……ブレブレですよ」
女「ちょっと黙ってください」
71: 名無しさん:2014/04/12(土)00:32:40 ID:qd05V7wed
男「結局すごい時間をかけて食べましたね」
女「最期の食事ですから。当然でしょう。なにか文句でも?」
男「いえいえ。そんなことよりも、これからのことについて話しましょう」
女「あなたと話すことはありません。ていうか、いつまでついてくる気ですか?」
男「僕の善意を無下にする気ですか?」
女「善意?」
男「あなたがタヒぬ前に、僕がベッドの上で天国へ導いてあげようとしてるのに」
女「わたしが地獄へ送ってあげてもいいんですけどね」
男「あははは、それは無理ですよお」
女「たしかに、そんな気がします」
女「……ていうか、あなたってすごい変わってますよね」
72: 名無しさん:2014/04/12(土)00:38:33 ID:qd05V7wed
男「僕の求愛行動がですか?」
女「ちょっとその話題からはなれましょうか」
男「なにがいったい変わってるんですか?」
女「全部が全部変ですけど、普通の人って自殺する人に対してその理由を聞きますよね?」
男「なんですか、ひょっとして自殺する理由を聞いてほしいんですか?」
女「ち、ちがいます。変な勘違いしないでください」
男「僕に抱かれたくない理由なら、お聞きしますけど」
女「あくまでその話題にもってこうとしますね」
男「だって、あなたの自殺理由を聞いても、あなたを抱けるわけじゃないですよね」
女「しつこいですっ!」
74: 名無しさん:2014/04/12(土)00:43:10 ID:qd05V7wed
男「まじめな話すると、タヒぬ理由って聞いても面白くないじゃないですか」
女「面白いって……」
男「だいたい予想がつきますしね。興味がわかないんです」
女「ずいぶん簡単に言いますね」
男「ええ、本気でそう思ってますから」
男「僕は、タヒぬ理由よりも、どちらかというと生きる理由のほうに興味があります」
女「生きる理由?」
男「タヒぬ理由に比べて、生きる理由って曖昧だと思うんですよね」
男「そしてタヒぬ理由よりも、ずっといろんなものがあると思います」
男「どうせ聞くなら、そっちのほうがいいでしょう」
75: 名無しさん:2014/04/12(土)00:46:36 ID:jWRt6CJNY
いいね
76: 名無しさん:2014/04/12(土)00:49:11 ID:qd05V7wed
女「生きる理由……そんなの、なんとなくですよ」
女「タヒなないし、なんか生きてるから生きてる」
女「そんな感じで生きてることに答えなんてないですよ」
男「それがいいんじゃないですか」
男「一生かけても見つからない理由。いや、タヒんでもなおわからない理由」
男「そういうのって、ステキじゃないですか?」
女「……遠まわしに、わたしの自殺を止めようとしてるんですか?」
男「いえ、ぜんぜん。あくまで僕はあなたのからだが目的なだけです」
女「スキがあったら、その話題にもってきますね!」
77: 名無しさん:2014/04/12(土)00:54:38 ID:qd05V7wed
女「世の中にはタヒぬよりつらいことってあると思うんです」
男「そういうことも、たしかにあるかもしれませんね」
男「でも、世の中には……」
女「わたしよりもつらい思いをして、でもがんばっている人がいる」
女「そういうありきたりなことを言うつもりですか」
男「おおっ! すごいですね、これがうわさのコールドリーディングですか」
女「自殺志願者に言う言葉なんて、限られてますから誰でもわかります」
男「それもそうですね」
女「そういう不幸を相対的に見るのっておかしいですよね」
女「わたしとわたし以外の人間の不幸に、いったいどんな関係があるっていうんですか」
男「ごもっともです」
78: 名無しさん:2014/04/12(土)01:00:52 ID:qd05V7wed
女「またあっさりと認めるんですね」
男「ええ。言ってるでしょう? 僕はあなたの自殺を止める気なんてないって」
男「ただ肉体関係を一度だけ結んだら、それで十分ですから」
女「もうなにも言いません」
男「え? ということはいいんですか?」
女「そういうことじゃありませんからっ!」
男「コワイなあ。だんだん凶暴になってません?」
女「あなたのせいでしょう!?」
79: 名無しさん:2014/04/12(土)01:02:00 ID:qd05V7wed
男「じゃあわかりました。クールダウンのために、ひとつ質問しましょう」
女「どうせまた、いやらしいことに結びつける気でしょ?」
男「ちがいますちがいます。今度はまじめな質問です」
男「あなたはタヒんで、それからどうするんですか?」
女「……どういう意味ですか?」
男「フッ、そのままの意味ですよ。考えてみましょうよ」
女「そう言われても、よく意味がわかりません」
男「だーかーら、自殺してそのあとにどうするかって話ですよ」
男「自殺する楽しみをあなたが見出すために、僕は質問してるんですよ」
女「はあ。タヒ後の世界のことですか」
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